top of page

\ ​「大きないびき」をかいていたら要注意 /

お子さんが大きないびきをかいていたら、良く寝ていると思いがちですが、それは病気のサインかもしれません。
 

大きないびきを特徴とする睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が何回も止まってしまう病気です。
 

睡眠時無呼吸症候群は、最近では成人の病気としてよく知られていますが、子どもは見過ごされることが多いようです。良い睡眠は健康維持には欠かせませんが、特に子どもは成長や発達に大きな影響をもたらすため、見逃さないことが大切です。

「大きないびき」それは!!

\ ​小児の睡眠時無呼吸症候群の定義は /

睡眠時の無呼吸定義は、成人と小児で異なります。
 

  • 成人の場合…
    10秒以上の呼吸停止
     

  • 小児の場合…
    10秒以上の呼吸停止または、2回分の呼吸停止

----小児の判定基準-----

軽症  AHI:1~5

中等症 AHI:5~10

重症  AHI:10以上
AHI:1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数

小児睡眠時無呼吸症候群の判定基準

\ ​小児の睡眠時無呼吸症候群の原因 /

小児の睡眠時無呼吸症候群の原因として代表的なものは以下の二つがあります。
 

  • 喉の奥にある扁桃組織の肥大

扁桃組織の肥大として考えられるのはアデノイド肥大扁桃肥大です。
アデノイドはリンパ組織のかたまりで、2歳頃から大きくなり、6歳頃にアデノイドの大きさがピークとなり、8~10歳頃くらいの時期に自然に小さくなって
いきます。扁桃肥大とは口蓋扁桃が肥大する状態で、3歳頃から大きくなり、7歳頃にピークとなり10歳頃には小さくなります
どちらも扁桃組織の肥大によって、空気の通り道が狭くなるため、鼻づまり、口呼吸、いびきといった症状を伴うことがあります。子どもが風邪を引いて、鼻づまり、口呼吸、いびきを起こすことはよくあります。しかし、風邪の症状が軽くなってもこれらの症状が続く場合は、子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因ともなりうる扁桃組織の肥大の可能性が考えられますので早めに受診するようにしてください

扁桃肥大により、空気の通り道が狭くなる
アデノイド肥大により、空気の通り道が狭くなる
  • アレルギー性鼻炎や肥満

近年、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎が増加しています。さらには長引く鼻炎や鼻づまりによる副鼻腔炎(蓄膿症)も原因にもなっています。幼少時は鼻呼吸が成人以上に重要で、鼻炎による軽度の鼻閉でもいびきや小児の睡眠時無呼吸症候群の原因となります。花粉症や肥満は、どちらも子どもに増えているため、今後は小児の睡眠時無呼吸症候群の患者も増えるのではないかと考えられています。

\ ​睡眠時無呼吸症候群の検査方法 /

検査方法

  • 専用の睡眠時無呼吸検査機を使用し、口と鼻に呼吸センサー、指に血中酸素濃度を調べるセンサーを取り付けて一晩ご就寝いただき、時間当たりに10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかどうかを調べます。

  • ​内視鏡を使用し、アデノイドの大きさを確認します。

睡眠評価装置パルスリー装着イメージ
睡眠評価装置パルスリーを使って検査

\ ​睡眠時無呼吸症候群の治療 /

保存的治療

鼻閉の症状が軽症の場合、点鼻や抗アレルギー薬などの内服薬で症状を軽減させ、成長とともにアデノイドや扁桃が小さくなるのを待ちます。肥満がある場合は、減量に取り組みます。
 

外科的治療

重症の場合、近隣の総合病院にて「アデノイド切除術」「扁桃摘出術」を検討します。入院期間は約1週間必要になります。

bottom of page